近ごろ星にまつわる本を2冊読みました。『星と伝説』(野尻抱影、中公文庫BIBLIO、2003年)と『星三百六十五夜・冬』(野尻抱影、中公文庫BIBLIO、2002年)です。
野尻抱影先生は、専門の天文学者ではなく、中学校教員や雑誌編集などに携わりながら、数多くの天文エッセイを書きつづけたのだという。「冥王星の命名者」としても知られ、「わが国の天文ファンの裾野を広げた功績」は大きいと紹介されている。う〜〜ん、カッコいい。好きだなぁ〜、こういう生き方。
エッセイの内容も、実に幅広く、さらりとしていて、嫌みがない。抱影先生のお人柄か、その学識のせいなのか? 『星三百六十五夜・冬』の解説で石田五郎氏は、こう述べています。
「該博な抱影先生の学殖は、東西古今の文人・詩人に親しみ、その詩文を憬仰し共鳴し、ギリシア・ローマの、古代中国・唐・宋の、あるいは平安・江戸時代の星空の美しさを再現してくれる」(『星三百六十五夜・冬』、野尻抱影、中公文庫BIBLIO、2002年、p.139)。
『星と伝説』では、ボクの郷里、北海道旭川市やアイヌの神話の話題が多く取り上げられているのも、親近感をもつ理由です。アイヌ人は「北極星にも『カムイ』を使ってチヌカルカムイとも呼ぶ。Chinukarukamui! その美しくて荘重な響きは、世界どこの民族の北極星の名にも発見されない」(『星と伝説』、p.113)。「ピタゴラス学派の星の音楽」の話題も、美しいイメージを呼び起こす。
野尻抱影先生のエッセイを読んでいると、中学時代の夏休み、悪友たちと一夜を過ごしたキャンプを想い出しました。テントの裾から顔を出して、夜空を眺めていたら、一分に一回くらいの割合で、流れ星を見たのです。あんなにたくさんの流れ星を、一晩で見たのは初めてでした。「ナントカ流星群」が、地球に近づいていたのでしょうか。
それはともかく、野尻抱影先生の文章は、無駄がなく、上手い。
ボクもいつか、抱影先生のようなエッセイが書けるようになれるのでしょうか...。
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・『星と伝説』(野尻抱影、中公文庫BIBLIO、2003年)
・『星三百六十五夜・冬』(野尻抱影、中公文庫BIBLIO、2002年)

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